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動画紹介

講義「新約聖書学入門1」第4回(2021年度)

新約聖書学入門1 マルコ福音書(2)権威ある神の子、反対を受ける神の子村山盛葦

CHAPTER

講義の概要

7つのイエス像
(1)権威ある神の子
1:16-20 弟子の召命
1:21-34 悪霊祓い
2:10 罪を赦す権威
4:41 突風を静める権威
5:1-20 悪霊祓い 5:41「タリタ、クム(アラム語「少女よ、起きなさい」)

(2)反対を受ける神の子
 イエス VS ユダヤ教指導者(律法学者、ファリサイ派、祭司長など)
2:7 呟き、疑問
2:16 詰問
2:18 詰問
2:24 抗議
3:6 殺害の企み
☆イエスは危険分子なのか?
①安息日規定の違反(2:27; 3:4)
②清浄規定の違反(2:15-17; 7:1-21)
  成文律法(モーセ五書)と口伝律法
③「宮清め」(11:15-18)
④神殿崩壊予告(13:1-2)
イエスの真意は?  形骸化した信仰を批判

(3)誤解される神の子
身内の無理解、風評被害 3:20-35
 ★ベルゼブル(Beelzeboul)「サタンの名」。語源は不明だがアラム語バアル・ゼブブ(「ハ
エの神」)と関係?
故郷での不評 6:1-6
 ★つまずく(skandalizw) 動詞スカンダリゾー「罪に誘う、不快にする」。受身形で「罪
に陥る、不快になる、怒る」。名詞形:「(動物を捕らえる仕掛け)罠」(skandalonス
カンダロン)、「罠のえさをつける棒」(動物が触れると外れて捕らえる仕掛けの罠を表し、
比喩的な意味で人を捕らえて罪に落とし、また信仰を阻害する原因になるものを暗示した。
英語のscandalの語源。参照:織田昭『新約聖書ギリシア語小辞典』531頁)☞「つまずき
の石」
弟子の無理解 4:35-41; 6:45-52; 8:14-21, 31-33; 9:31
この世的メシア像(群衆の歓迎) 11:1-11 ⇔ 受難・十字架
(4)認識される神の子
目の不自由な人のエピソード(8:22-26)…徐々に目が見える
  ⇔ 通常のイエスの奇跡(即効性)。会堂長ヤイロの娘に「タリタ、クム」(5章)など

前後の文脈
  1:1-8:21 ガリラヤ宣教(物語前半)
     8:21「まだ悟らないのか」
  8:22-26 目の不自由な人のエピソード(徐々に見える)
  8:27-30 ペトロの信仰告白(認識の萌芽。しかし不完全)
8:27以降(物語後半)、受難への高まり
 3回の受難予告  8:31 → 9:31 → 10:34 →  
11:1…エルサレム入城、宮清め、「ぶどう園と農夫」のたとえ(12:1-12)など
「ぶどう園と農夫」のたとえ(12:1-12)
  ・ぶどう園=イスラエル (参 イザ5:7など)
  ・ぶどう園の主人=神
  ・農夫=イスラエルの宗教指導者
  ・僕=預言者
  ・息子=イエス
  ・隅の親石=復活したイエス=キリスト
(参考)ヨハネ福音書15章 「ぶどうの木」=イエス、「農夫」=天の父

(5)苦難を受ける神の子、(6)十字架刑に処せられる神の子
 受難予告と弟子論の結びつき
 8:31-33 = 8:34-9:1
9:31 = 9:33-37
10:33 = 10:35-45 (10:45 不可逆地点)
11章以降(ユダヤ当局との緊張関係が高まる)
14章以降(受難物語)

(7)神の子としての正しさが立証される
 ガリラヤ … イエスの宣教舞台(奇跡・教え)
           最初に出会った場所
           寝食を共にした場所
   ⇔  墓 … 空虚。復活のイエスはいない

資料

レジメ マルコ福音書ダウンロード

総時間数

1時間1分50秒

撮影年月日

2021年3月5日